チョコ菓子は混ぜ方で味が変わるチョコレート菓子は、材料がシンプルな分、「どう混ぜるか」で味や口当たりが驚くほど変わります。
同じ配合、同じ材料を使っていても、仕上がりが別物になることは珍しくありません。
お菓子作りというと、材料や分量に目が向きがちですが、実は混ぜ方こそが味を決める工程だと感じています。混ぜすぎると、なぜ重たくなるのかチョコレートを使った生地は、混ぜすぎると「もったり」「重たい」食感になりがちです。理由はシンプルで、空気が入りすぎる油脂が分離しやすくなるグルテンや構造が立ちすぎる結果として、口の中で広がるはずのチョコの香りよりも、重さやくどさが先に来てしまうのです。
「濃厚=おいしい」と思われがちですが、濃いのと重たいのは、まったく別のもの。チョコ菓子ほど、この違いがはっきり出ます。
混ぜなさすぎても、おいしくならない一方で、混ぜなさすぎても問題があります。チョコと油脂がなじまない甘さが立ちすぎる舌触りがざらつく特に溶かしたチョコレートは、乳化の状態が味を左右します。
なめらかに感じるチョコ菓子は、しっかり混ざっているのではなく、「ちょうどよく整っている」状態です。家庭のお菓子と、お菓子屋の違い家庭で作るチョコ菓子と、お菓子屋のチョコ菓子の違いは、特別な材料ではありません。違いが出るのは、ゴムベラを入れる角度混ぜるスピード生地の温度を見て止める判断こうした目に見えない部分です。
レシピ通りに作っても同じ味にならない、という経験がある方も多いと思います。それは失敗ではなく、「工程の差が味に出ている」だけなのです。チョコ菓子は、やさしく扱うほどおいしくなるチョコレートはとても繊細な素材です。
強く混ぜれば応えてくれる、というものではありません。・今はなじませたいのか・空気を入れたいのか・これ以上触らない方がいいのか生地の状態を見ながら、必要な分だけ手を加える。それが、軽さとコクのバランスが取れたチョコ菓子につながります。最後にチョコ菓子の味は、「どんなチョコを使ったか」だけで決まりません。
どう混ぜたか。どこで止めたか。どんな意図で仕上げたか。その積み重ねが、口に入れた瞬間の印象をつくります。だから私は、チョコ菓子を作るときほど、混ぜるという当たり前の工程を大切にしています。同じチョコでも、ちゃんとおいしくなる余地は、まだまだある。そう思いながら、今日も生地と向き合っています。


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